通り沿いに並ぶ西条祭りのだんじりの列と、法被姿で行き交う人たち

今年も西条祭りの季節がやってくる。

この季節になると、「ああ、そろそろ西条祭りだなあ」とカレンダーを眺めるのが、すっかり恒例になっています。(写真のバックアップをしながら、ふと昨年のフォルダを開いて「うわ〜懐かしい!」と手が止まってしまうのも毎年のことですが……!)

愛媛県西条市で毎年10月に開催される、西条祭り。僕たちが初めて参加させてもらった秋の日のことを、今でも鮮明に覚えています。四国をウロウロしていた僕たちには、秋祭りは以前からずっと惹かれていた文化でした。でも、外側から眺めているだけでは、どうしても見えてこないものがある気がしていました。

「祭りの本当の体温って、どんなだろう?」
「ここに暮らす人たちは、どんな表情でこの日を迎えているんだろう?」

できることなら内側から、その空気を肌で感じてみたい。
そんな思いを汲んでくださり、人づてにご縁を繋いでいただいたのが、紺屋町(こんやまち)の皆さんでした。

商人の町、紺屋町

西条祭りといえば、なんといっても何台もの豪華絢爛なだんじり(屋台)が練り歩く圧倒的な熱気!その迫力にはもちろん圧倒されたのですが、それ以上に胸にじんわり残ったのは、町に流れる空気感でした。誰かに見せるための過剰なアピールも、外から来た人に媚びるようなところも全然ない。法被を着た人たちが、自分たちの祭りを、自分たちの誇りとして心から楽しんでいる。その佇まいが、とても心地よかったのです。

紺屋町は、もともと商人の多い地区。

普段はそれぞれが自分のお店や看板を掲げています。けれど秋になると、当たり前のように店の手を休めて、時間と手間を惜しみなく注ぎ込んで祭りと向き合う。日々の商売があって、当たり前の暮らしがあって、その延長線上にポンと祭りがある。何十年、何百年と積み重ねられてきた日常の地続きに、文化がちゃんと息づいている。そういうところに、地域の本当の豊かさがあるんだなあと感じます。

地域活性化とか街づくりの言葉

普段、地域のブランドづくりや情報発信のお仕事をしています。仕事柄、打ち合わせなどでよく耳にするのが「地域活性化」や「街づくり」という言葉です。

もちろん、町をよくしたいと思って行動することは、とても大切なこと。でも時々、その言葉を掲げた瞬間に、外から持ち込んだ「誰かの理想」ばかりが独り歩きしてしまう場面に出会うこともあります。最近では、その言葉を自分たちから口にするのを、ちょっとためらうようにもなりました。

新しい施設をつくったり、派手なイベントを仕掛けたり。それが必要な場面もあるけれど、下手をすると、これまで町の人たちが大切に守ってきた風景や、長い時間をかけて育まれた関係性を塗り替えてしまうことだってある。外から何かを持ち込まなくても、町の中には、すでにかけがえのない大切なものがたくさんあるんですよね。

西条祭りの熱気の中にいると、そのことを改めて強く教えられます。日々の商売を地道に続けながら、世代を超えて毎年祭りを受け継いでいる人たちがいる。その営みの積み重ねこそが、誰にも真似できない町の魅力なんだと思います。

地域のことを考えるとき、まずはそこにあるものをじっくりと見つめること。
そして、できれば自分たちもその輪の中に入ってみること。
それを何よりも大切にしたいなと思っています。

また今年も、会いに行く

そんなわけで今年も、紺屋町の皆さんと一緒に歩きます!

だんじりの軋む音、威勢のいい掛け声、みんなの汗と笑顔。
カメラを回しながら、今年の西条の空気をまるごと味わってこようと思います。そして何より、「またみんなに会える!」と思うだけで、もう今からワクワクが止まりません。
年に一度、祭りでふっと交差するくらいのこの距離感が、やっぱり最高に心地いいのです。

今年もどうぞ、よろしくお願いしますー!